「ジアの鳥」
ニューメキシコ州にあるジア(Zia Pueblo)は人口700ほどの小さな集落だが、人口が少ないからといってジアの陶芸技術の世界的評価が決して衰えるわけではない。
そう、この集落は陶器芸術家たちの大いなる故郷であり、住人たちの殆どが陶芸家と言っても過言ではないほど優れた陶芸の伝統を持つ村なのである。
とりわけジアの鳥は多くの陶芸家たちが描いてきた村の代表的なデザインであり、いわば村の象徴といえるだろう。
ジアを代表する近代陶芸家であるハーヴィアナ・ピノ (Harviana Pino Tribio 1904-1949)を始め、多くの著名陶芸家たちがジアの鳥を描いてきた。
そして、ここにある美しいポットもその一つである。
作者は不詳だが、プエブロの空を舞う可愛らしい鳥がとても印象的で、その描写はどちらかと言うとソフィア・ピノ・メディナ (Sofia Pino Medina 1932-2010)か、キャンデラリア・ガチャピン (Candelaria Gachupin 1908-1997)の影響を受けているようなので、恐らく彼女たちの門徒だったのでろう。
作風からすると前者の門徒で、恐らく1970年代の作品と思われるが、ソフィアも得意とした直線と曲線の織りなすパティーナがとても美しい。
このポットはとても小さいものだが、大きな芸術的遺産を継承し、わざわざジアの故郷から渡ってきたと思うと、とてもノスタルジックな気持ちになるのである。
ジアの鳥は故郷を飛び立ち、今あなたの元へと旅立つのである。
ジア・プエブロ (Zia Pueblo)
20世紀以前よりインディアンたちの陶芸の里として長く美しい歴史を持つジア・プエブロでは、1900年以前おいてはトリオス時代にみられる複雑で繊細な陶芸が主として創作されていたが、それ以降はジアの鳥や花などで装飾されたデザインが主なものになり、後に多くの芸術家を創出した地として知られるようになった。
セフェリーナが陶芸を目指すきっかけとなった父のジョー・ピノ(Joe Pino)を始めとして多くの陶芸家たちが育った地でもあり、また、ニューメキシコ州の州旗にも使われている太陽のシンボル等の地理的象徴をデザインとして多く取り入れていることでも知られる陶芸の里である。
【商品番号】: 0102
【商品名】: ジア・プエブロの陶器 c1970 「ジアの鳥」ビンテージ・ポット
【属性】: ジア・プエブロ、陶芸
【概要】: 1970年代製のジアの鳥を描いたジア・プエブロの陶器である。この小さなポットは初めセフェリーナ・(ピノ)・ベル (Seferina Bell 1920-1986)作だと勘違いしたが、よく観察すると作風がセフェリーナものとは若干異なり、むしろソフィア・ピノ・メディナ (Sofia Pino Medina 1932-2010)に近いのでソフィアに近いものが制作したものと思われる。残念ながら作者は不詳だが、作品の完成度としては非常に素晴らしいもので、滑稽に描かれた鳥やどこかファンタシーな背景はアーチストの高いセンスを感じさせる。
【サイズ】: 直径約10cm x 高さ約8cm
【状態】: 良好なビンテージ・コンディション。ビンテージのため多少の色落ちやスレはあるが総体的に良好なコンディションである。
【備考】: 作者は不詳だが素晴らしいデザインである
【価格】: 78,000円(税込)
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