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0196 【希少】チャールズ・ロロマ(Charles Loloma 1921-1991)作、化石牙、アイアンウッドとレッドコーラルの芸術品、シルバー製イヤリング

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「蘇った化石の芸術」

ジュエリーという名の芸術だ。
チャールズ・ロロマの魔法がかかると物体の分子の形が変わる。
ロロマの魔法に直線は存在しない。
曲線と歪みの連続。
そして野、山、海のネイチャーズ・コラボレイション。

野はマンモスの牙である。
何年前の化石であろうか。
マンモスの牙の化石は1万年前~20万年前と幅が広いが気が遠くなる年月だ。
ロロマはマンモスやマストドンの牙の化石(Fossil Ivory)を好んで使用した。
山のアイアンウッドは強弱の2色を真っ白の化石と対称的に並べることで作品のコントラストを一気に引き締めている。
そこに海のレッドコーラルが一気に作品に華を広げる。
これらの自然の組み合わせに無機質なシルバーを、しかも柔らかい曲線で加えることによって、チャールズ・ロロマのコンテンポラリーな世界観を生み出しているのだ。

マンモスの牙は数万年の時空を超え、キリストが生誕してから2000年もの時を経た20世紀に、一人の男によって芸術へと生まれ変わった。
そしてその芸術は、美しく、斬新に今この瞬間も息づいている。

まるで宇宙を一掴みだけ形にしたみたいだ。
チャールズ・ロロマの芸術に言葉はいらない。
ただただ美しい。
そしてその美しさはいつの時代も変わらない。
蘇った化石の芸術のように。

 
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チャールズ・ロロマ (Charles Loloma 1921-1991)

loloma4言わずと知れたコンテンポラリー・ジュエリーの父、チャールズ・ロロマはホピの地の第3地区に位置する小さな村ホートビラの近くで1921年に生まれた。
幼少期はホートビラ学校に通い、後にモエンコピの叔母のもとからオライビのホピ高校へと進学をすることになる。そこでロロマは著名な芸術家であるフレッド・カボティ(Fred Kabotie)に師事するようになり、後にフェニックス・インディアン学校に進学、そして1940年に卒業をする。
その間ロロマはフレッド・カボティのもとでニューヨークのモダン美術館のためにアワトビの壁画(アリゾナ州のホピ後に存在するアワトビの遺跡)の復元作業を手伝っており、これが将来のロロマの芸術思考に影響を与えたとされる。
同じ頃18歳のロロマは、レナ・ドゥハーノンコート(Rene d’Harnoncourt – NYモダン美術館理事長)とフレッド・カボティのプロジェクトで1939年のサンフランシスコのゴールデンゲート・エキスポにその壁画を展示するアシスタントを務めている。
ロロマが手掛けた他の壁画はそれ以外でも美術館やホピの記念館などで今なお展示されている。
その後1941年から1945年まで軍に徴兵されるも1942年には妻オテリーと結婚する。
退役するとすぐさまホピ第2地区のシプロヴィに移住し、壁画やイラストレーションなどを手がけるようになり、その後陶芸技術を習得するためにニューヨークのアルフレッド大学へと進学する。ここでは、ウィットニー財団からホピ陶芸技術の特別評議員としての調査を任命され、1949年から51年の2年間このプロジェクトに尽力する。
1954年にはアリゾナのスコットデールにおいてロロマ・ポッテリーのショップを開店、これがロロマの芸術性が世界に披露されるきっかけとなる。
そして1955年にチャールズ・ロロマは自身の芸術の方向性をジュエリーへと転換させることを決意し、次第に当時人気を博した陶器芸術のロロマウェアからジュエリーへの比重を増していっloloma3た。
6年間に及ぶロロマウェアのショップを展開しているその時期に、ロロマはアリゾナのアリゾナ大学やアリゾナ州立大学にて教壇に立ち、アメリカンインディアンの芸術を教えた。また、1962年にはサンタフェにあるロックフェラー財団によるアメリカンインディアンアート研究所とともに長年の夢であった、アメリカンインディアンの生徒たちに自らの芸術文化を継承するための教育活動を推し進めることとなったのである。
こうしてチャールズ・ロロマはアメリカンインディアンの芸術を世界に広めるべく、自らが教育者として教壇に立ち、同時に芸術的な作品の創作活動を繰り広げていったのである。
ロロマの作品はその後パリ、ロンドン、そして世界中の美術館で展示される事になり、現代においてはその数少ない作品を世界中の収集家たちが探し求めている。今日チャールズ・ロロマの作品は非常に希少であり、有名オークションでは日本円にして1000万円を超えるものも珍しくない。
彼は、教育者として後世の文化継承に尽力しただけでなく、コンテンポラリージュエリーの父としてその芸術をも確立させた今世紀の偉大なる芸術家の一人として歴史に名を残したのである。

 
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【商品番号】: 0196

【商品名】: 【希少】チャールズ・ロロマ(Charles Loloma 1921-1991)作、化石牙、アイアンウッドとレッドコーラルの芸術品、シルバー製イヤリング

【属性】: チャールズ・ロロマ、ホピ、イヤリング

【概要】: チャールズ・ロロマ(Charles Loloma)の芸術作品、化石牙のペア・イヤリング。アイアンウッド(黒檀の様な硬木)は二種類の物を用いてコントラストを実現している。シャープに引き締まったコンテンポラリーデザインにレッドコーラルの赤が映える。シルバー部分は直線を限りなく排除し、曲線を用いることでみごとに現代的なフォルムが実現しており、それを和らげるかのように自然素材を創作的に用いて一つの芸術作品を完成させているところがチャールズ・ロロマの芸術性を物語っている。偉大な芸術家の小宇宙を垣間見ることが出来る希少な美術館作品である。

【サイズ】: 縦約32mm x 横約32mm

【フィット感】: 繊細なフォルムだが、小さくはないため存在感あり。重さはさほど感じないとはいえ、象牙とシルバー製なのでそれなりの重量感は感じるであろう。

【状態】: 経年による使用感はあるが、素晴らしいビンテージ・コンディションである。破損、修復歴なし。

【備考】: 希少な芸術作品につき紛失に注意

【価格】: お問い合わせ下さい

 

商品及び価格に関するお問い合わせはお気軽にこちらまで

 
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