「イーグルと裸のチビ助」
渓谷を見下ろして獲物を狙うイーグル。
子供の頃のビーチェン・ヤズ(Beatien Yazz 1928-2012)が岩肌に落書きしたのもやはりイーグルだったのだろうか。
1928年にアリゾナで生まれたビーチェンは、子供の頃から絵を描くのが大好きだったが、貧しかったせいであちこちに石で落書きをしていた。
裸で石ころを手にして絵かきに没頭する彼を見て、大人たちが裸のチビ助(Little-No-Shirt)と呼んだことからそれは生涯彼のニックネームとなった。
ビーチェンの絵の才能を伸ばしたいと考えた街のトレーディングポストのオーナーが、ビーチェンに絵の道具を買い与えた時から彼の人生が変わった。
ビーチェンが7歳の時である。
その後、イリノイ州立美術館などで展示されるようになったビーチェンだが、1991年に眼の障害で筆を下ろしたのである。
Little-No-Shirt、裸のチビ助のイーグルは彼の地で何を見ているのだろうか。
そしてビーチェンは今も裸で落書きを続けているに違いない。
ビーチェン・ヤズ(Beatien Yazz 1928-2012)
ビーチェン・ヤズ、本名Jimmy Toddyは数々の賞を受賞したネイティブ・アメリカンであり、最も著名な現代アートの一人である。伝統的な手法を駆使すると同時に繊細な線を描くのが特徴的である。ネイティブ・アメリカンが最も大切にする自然をモチーフにして、人間と動物のつながりを強調して描くのがヤズの作風である。本格的に画家として活動する以前は美術の教師をしており、1949年には日本の洋画家である国吉康雄に師事して作画法を学んだ。
ヤズが初めて個展を開いたのは彼が12歳の時(1940年)で、その時ヤズは20枚ほどの画を売って$11ドルを手にした(現在のおよそ200ドルほど)。その後カリフォルニアのLa Jolla Art Centerなどで個展を開いたが、その際ロサンゼルス・タイムスやサンディエゴ・ユニオンは「13歳の個展ツアー」の特集を組んだ。
その後戦時中にヤズは、ナバホの言語が対日本軍の暗号に有効だとして暗号舞台に所属させられるも、1947年に洋画家である国吉康雄が教壇に立つミルズ・カレッジに通い、国吉から実際にモデルを使った油彩画法を学ぶ。この国吉から受けた指導が後のヤズの創作活動に大きな影響を与えた。
12人の子どもに恵まれたヤズだが、不幸にも1991年に目の傷害によって創作活動が終焉を迎える。個展の他に絵本などの挿絵にも多く登場したヤズの作品だが、現在ではオクラホマ州フィルブルック美術館、デンバー美術館を始め、サンタフェのアメリカン・インディアン博物館やロサンゼルスのサウスウェスト美術館など、多くの美術館などで展示されている。
【商品番号】: 0113
【商品名】: ビーチェン・ヤズ(Beatien Yazz 1928-2012)作 獲物を探す鷲(オリジナル画)
【属性】: グワッシュ水彩画、サウスウェスト
【概要】: 最も著名なネイティブ・アメリカン現代画家の一人、ビーチェン・ヤズ(Beatien Yazz 1928-2012)のグワッシュ水彩画作品。ヤズの特徴であるオイルインクを使ったペンによる細い線が美しい。主役の鷲の姿も非常に繊細に描かれていて素晴らしいが、背景の山の色合いがその主役を引き立てており、色彩のマッチングが非常に美しくい仕上がっている。オリジナルのフレームとマットのコンビネーションも絶妙である。間違いなくコレクションに加えられるべき素晴らしい作品である。
【サイズ】: 縦約35.5cm x 横約28cm (フレーム含む)
【状態】: 経年による使用感はあるが、良好なビンテージ・コンディションである。
【備考】: オリジナルのフレーム+ガラス
【価格】: 135,000円(税込)
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