「対照の美学」
1960年代という時代はどちらかと言えば目立ちすぎた50’sや70’sの影のような存在だ。
動から静とでも言うのか、アートもファッションもインテリアも、また経済にしても大きく躍動する前の転換期に見える。
静の時代の作品というのは、静と芸術性のジレンマで、よせばいいのに無駄に派手になることが多い。
しかし、ジョセフは違った。
このバングルを見れば一目瞭然。
まさに静の美学ではないか。
もともとジョセフ・キンタナ(ジョー・キンタナ JOE H. QUINTANA)は静かなアーチストだ。
しかしそれだけでは伝説にはなれない。
我々の頭に焼き付いてなぜか忘れることが出来ないデザイン。
それは連続する静けさから放たれる動の主張。
ジョーのシグネチャーとも言える美しい曲線状のエッジ、
そしてよく見てみると打ち付けの斜めラインがエッジの外側に突き出ているのがわかる。
そう、敢えてハンマリングラインをエッジの外側まで入れて、その後にエッジに対して丸みを与えたのだ。
その上、そうすることで各斜めラインの先端が流線状になることを全て計算して処理をしている。
このバングルがここまでシンプルなのに、なぜこんなにも特別に見えるのか。なぜこんなにも脳裏から離れないのか。
それは、無数に連続する静の鼓動を我々が感じるからだ。
シンプルなのに複合的、ダイナミックなのに繊細、タフなのに優しい
この対照の美学こそがジョセフ・キンタナの世界なのだ。
1960年代は影。
いや、ジョセフにとって影は光なのかもしれない。
【IRMA BAILEYのプライベート・コレクション】
アーマ・ベイリー(Irma Bailey 1917-2012)は30以上のネイティブ・アメリカンの部族たちと深い交流があり、
50年以上にも渡り彼らの芸術を世界中に伝達し続けた熱烈なコレクター&アートディーラーである。ハーバードやケンブリッジの美術館で数十回にも及ぶインディアン・アートの展示を行い、インディアン芸術の啓蒙活動をアメリカ中で行うなど、生涯をアメリカン・インディアンの文化に捧げたインディアンたちのマザーシンボルであった。1966年にはジョー・キンタナ (JOE H. QUINTANA) をデザイナーに迎え、Irma’s Indian Artsをニューメキシコ州アルバカーキに開店、1971年に閉店するまでジョセフはアートディレクターを務めた。アーマのジョセフのコレクションは世界一と言われ、世界中で展示会を催してインディアン・ジュエリーの発展に貢献した。
著書に「Joe H. Quintana Master in Metal(シルバーの巨匠 ジョー・キンタナ)」等がある。
この作品は、ジョー・キンタナが1960年代にアーマのために制作した非常に貴重なプライベート・コレクションの一部である。
【商品番号】: 0011
【商品名】: 【希少】c1960 ジョー・キンタナ (JOE H. QUINTANA) 作 ビンテージ・シルバーバングル
【属性】: コチティ、バングル
【概要】: 巨匠ジョー・キンタナ (JOE H. QUINTANA) 作、1960年代製のスターリングシルバー・バングル。この作品にジョセフの刻印は無いが、この作品が世界一のインディアン・ジュエリーの収集家であるアーマ・ベイリーのコレクションの一つであった証明書が添付されている(アーマについては下記を参照)。非常にシンプルなデザインだが、一目でジョー・キンタナの作品とわかる一品だ。丸みを帯びた流線型のデザインは、シンプルであるにもかかわらず見れば見るほど美しさが増幅して、私たちを引き込む魔力を持っている。ジョー・キンタナの作品は、近年非常に入手困難であるが、この作品は特にアーマ・ベイリーのコレクションであったこともあり、更に珍しい希少価値が非常に高い一品だ。
【サイズ】: 内径約14cm + ギャップ約2.5cm 幅約8mm 厚み約2.8mm 重さ25g
【フィット感】: 男性は小柄か細身、女性はペティットから中肉中背までオールマイティに装着可能である。軽く柔らかく美しいこのバングルは、自己主張こそしないが、腕元で輝くオーラを放つ。つけていることは感じず、存在感を感じる気位が高い一品である。
【状態】: 経年による使用感あり。破損、修復歴はなし。良好なビンテージ・コンディションである。
【備考】: プライベートに制作されたためJHQの刻印はないが証明書付き。アジャストは可能だが、非常に希少なコレクションのためおすすめしない。
【価格】: 売約済
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