「渾身の銀塊」
しっかりと、深く、打つ、打ち付ける。
銀塊(インゴットとコインシルバーに関してはこちら)へのハンドスタンプは骨が折れるに違いない。
しかし、このバングルには特に職人の気質を感じる。
およそ100年前、フレッド・ハービー(Fred Harvey)の時代(1900-1955)のおそらく1920年辺りに作られたこのバングルは今なお歪み一つ見せることなく、おそらくこれから先も変わらないだろう。
インゴット(銀塊)を打ち付けて作る渾身のジュエリーは一生美しいのだ。
この作品はとにかく力強い。
ナバホの職人魂を真正面から感じる渾身の作品だ。
裏面には、銀塊を力強くスタンプした際に出来るアンビル(鉄床と呼ばれる打ち付け台)の痕がしっかりと見て取れる。
今はもう珍しく希少になってしまった銀塊のジュエリー。
あなたには一生愛着を持ち続けてもらいたい。
そしてその先の代まで。
なぜなら、このジュエリーは永遠に美しくいられる命を吹き込まれているから。
フレッド・ハービー (Fred Harvey 1835-1901)
イギリスの企業家。
3世代に渡りアメリカのサウスウエストを中心に観光事業を展開し、およそ1896~1960年はフレッドハービー時代としてアメリカン・インディアンのジュエリー産業が繁栄するきっかけとなった。
ゴールドラッシュのアメリカ西部を駆け巡ったフレッド・ハービー(Fred Harvey)の観光ビジネスは、当時アメリカン・インディアンたちに大いなるチャンスを与えた。
ジュエリーや土産品を売って生計を立てるビジネスチャンスはもちろんだが、その影で生まれた競争意識が職人たちの創作意欲向上を生み出し、それによって他国の文化や芸術を広く取り入れたことでインディアンジュエリー全体の芸術性を高め、多くの優れたアーチストたちを輩出した。
【商品番号】: 0030
【商品名】: c1920 ナバホ インゴット・シルバー(銀塊)のヘビースタンプ・バングル
【属性】: ナバホ、バングル
【概要】: 作者不詳、およそ1920年代のインゴット・シルバーを使用したバングルである。シルバースミスがジュエリーに刻印を押すようになったのが1930年ほどからと言われているので、それ以前に作られたと思われるこの作品に刻印がなくても不思議ではない。それにしても当時の職人には脱帽だ。溶けた銀塊をハンマーで打ち付けて成形し、こんなに力強くスタンプしたり、削ったりして一つのジュエリーを作るわけだが、それには相当な労力と時間を要するのだ。この作品も例外ではなく、一つひとつ正確に、そして力強くスタンプが打ち込まれているのがわかる。シルバーはアンティークとも言えるビンテージ感たっぷりの鋭い輝きを放ち、くっきりと刻まれたスタンプのいぶし黒とのマッチングが一層このバングルのビンテージ感を際立たせている。マーク・チー(Mark Chee)も度々用いたナバホのクラシックデザインが非常に生きた、希少で素晴らしいビンテージ・バングルである。
【サイズ】: 内径約13cm + ギャップ約2.6cm 幅約8.2cm 厚み約5.9mm 重さ37g
【フィット感】: 男性は小柄、女性はお大柄でなければオールマイティに装着が可能。どちらかと言うと小さめのサイズであり、強固な作りゆえアジャストが難しいので細めの人向けであるといえよう。インゴットの打ち込みにより密度が高い仕上がりなので装着した時の重量感はそれなりにあるといえる。
【状態】: 経年による使用感あり。傷、スレ等あるが、良好なビンテージ・コンディションである。
【備考】: 素材が固くアジャストは容易ではない。インゴットとコインシルバーに関してはこちら
【価格】: 売約済
WHITE SANDS GALLERY | プレミアムビンテージ・インディアンジュエリー & サウスウェスト・モダンアート